Farxiga(dapagliflozin)にFDA承認:2型糖尿病の血糖コントロール薬

Farxiga(dapagliflozin)錠剤が、2型糖尿病患者の血糖コントロールを改善する治療薬としてFDAから承認されました。

 

 

Farxigaは選択的ナトリウム-グルコース共輸送担体( sodium-glucose co-transporter 2)阻害剤であり、腎臓によるグルコースの吸収を抑え、血中グルコース濃度を低下させます。同薬の安全性と有効性は、9400名の2型糖尿病患者を対象とした臨床試験で評価されました。そして、HbA1c(糖化ヘモグロビンまたはグリコシル化血色素[glycosylated hemoglobin])濃度が上昇することが明らかとなりました。

 

 

Farxigaの有効性評価は、単独投与の場合と、メトフォルミン、ピオグリタゾン、グリメピリド、シタグリプチン、インスリン(metformin, pioglitazone, glimepiride, sitagliptin, and insulin)などとの併用投与の場合で行われました。Farxigaは、血中や尿中に高濃度のケトンをもつ、糖尿病性ケトアシドーシス(diabetic ketoacidosis)の1型糖尿病患者や、中等度から重度の腎障害、末期の腎疾患、または透析を受けている患者へ使用することができません。

 

 

臨床試験ではFarxiga使用者の間で膀胱がん(bladder cancers )が数多く診断されたため、膀胱がん患者への使用も避けるべきです。Farxigaは脱水をもたらして血圧を低下させるため、めまいや失神、腎機能低下を引き起こすことがあります。腎機能障害を呈する高齢患者ではこのリスクが高くなります。

 

 

FDAはFarxigaの6つの市販後調査の義務を課しています。

 

 

・重度の循環器障害を呈する患者を対象とした、Farxigaの心血管リスクを評価するための心血管アウトカム調査( cardiovascular outcomes trial ;CVOT)

 

・CVOT登録患者を対象とした、膀胱がんリスクの無作為化二重盲検比較対照試験

 

・マウスにおけるFarxiga誘発性の尿流速度(Farxiga-induced urinary flow/rate )と膀胱がんの組成変化(composition change)を調査するための動物実験

 

・小児患者における薬理動態、有効性、安全性を評価するための2件の臨床試験

 

・肝障害と妊娠アウトカムをモニターするための医薬品安全対策( pharmacovigilance )プログラム

 

 

FarxigaはBristol-Meyers Squibb Company, Princeton, N.J. and AstraZeneca Pharmaceuticals により販売されます。