メルク社のGrastek:花粉誘発性アレルギー性鼻炎の免疫療法薬

米国とカナダ以外でMSDとして知られるメルク社は本日、Grastek(Timothy Grass Pollen Allergen Extract)錠剤のFDA承認を得たと発表しました。同薬はアレルゲン・エキスであり、オオアワガエリ花粉特有のIgE抗体を対象とした皮膚テスト、またはin vitro検査で陽性反応を示す草花粉誘発性アレルギー性鼻炎の免疫療法に用いられます。Grastekの使用対象年齢は565歳です。同薬はアレルギー症状を即座に緩和するものではありません。

 

Grastekの処方情報には、重度のアレルギー反応に関する警告文が含まれます。重度かつ不安定な喘息を呈する患者や、重度のアレルギー反応の既往歴をもつ患者、舌下腺アレルゲン免疫療法を受けた後に重度の局所反応を示したことのある患者、製剤に含まれる不活化成分への感受性が高い患者には禁忌です。

 

毎年花粉の時期になると、中等度から重度のアレルギー性鼻炎を抱える多くの患者は、緩和薬を服用していても鼻や眼のアレルギー症状を呈するようになります。これらの患者は一般的に複数の過敏症を抱えています。なかには免疫療法を受ける人もいますが、アレルギー注射の回数は減らさなければなりません。GRASTEKFDA承認により、アレルギー専門医は花粉アレルギー患者に対して新たな治療法を提供できるようになります。

 

草花粉誘発性アレルギー性鼻炎の症状には結膜炎の有無に関係なくくしゃみ(sneezing)、鼻水、鼻閉( congested nose)、涙目( watery eyes)などがあります。

 

GrastekFDA承認は、オオアワガエリや交差反応性の草花粉により生じるアレルギー性鼻炎の成人や小児を治療するアレルギー専門医に革新的な治療薬を届けるものです。これはメルク社にとって重要なマイルストーンになるでしょう。