グラクソ社がMekinistとTafinlar併用投与のFDA迅速承認を取得

グラクソスミスクラインは本日、 Mekinist(trametinib)がTafinlar (dabrafenib)の併用薬としてFDAから承認されたことを発表しました。この併用療法は、除去不可能なメラノーマ(unresectable melanoma ;外科手術で取り除けないメラノーマ)や、BRAF V600EまたはV600K変異の転移性メラノーマ(体内のほかの部位に広がったメラノーマ)を呈する患者を対象とします。BRAF V600E または V600K変異は、FDA承認済みの検査法で検出することが義務付けられています。Tafinlaの単独投与は、野生型BRAFメラノーマ患者に対して行うことができません。

 

 

この併用投与の承認は、フェーズⅠおよびⅡ試験で確認された奏効率( response rate )とその持続期間に基づいています。疾患関連症状(disease-related symptoms)や全生存率(overall survival )の改善は、MekinistとTafinlarの併用投与群で確認されませんでした。この併用療法は、FDAの迅速承認制度(Accelerated Approval programme)を通して承認され、優先審査指定( Priority Review designation)のもとで審査されました。今回の迅速承認は、現在実施中のフェーズⅢ臨床試験(MEK115306 または Combi-D)の結果次第です。同臨床試験は、同患者集団におけるMekinistとTafinlarの併用投与の臨床的有効性( clinical benefit )を評価するためのものです。

 

 

転移性メラノーマ患者の治療状況が進展し続けるなかで、今回の承認は特にその重要性が高いと考えられます。がん細胞の増殖を制御するさまざまなメカニズムを標的とする複数の因子の併用は、有望ながん研究領域の一つです。転移性メラノーマを対象とした初の併用療法がMekinistとTafinlarなので、グラクソ社はそのことを誇りに思っているでしょう。同療法は、BRAF V600EまたはV600K変異陽性(mutation-positive )の転移性メラノーマ患者に対する新しい標準ケアになるかもしれません。

 

 

無作為化フェーズⅡ試験では推奨投与量(recommended dose[(150/2mg) (N=54)])のtrametinib と dabrafenibの併用投与と、dabrafenibの単剤投与を評価しました。その結果は、次の通りです。

 

 

・全奏効率(主要有効性エンドポイント[main efficacy endpoint])は併用投与群で75%(95% CI, 62, 87)、およびdabrafenib単独投与群で54%(95% CI, 40, 67)でした。奏効の平均持続期間は前者で10.5ヵ月(95% CI, 7, 15)、後者で5.6ヵ月(95% CI, 5, 7)でした。

 

 

・中央独立審査委員会(independent radiologic review committee;IRRC )のデータ分析結果は、同試験結果を支持するものでした。同委員会が審査した奏効率は、併用投与群で57% (95% CI, 43, 71)、単独投与群で46% (95% CI, 33, 60)です。同委員会により評価された奏効の平均持続期間は、前者で7.6ヵ月(95% CI, 7, NR)、後者で7.6ヵ月(95% CI, 6, NR)でした。