Hetlioz (タシメルテオン)にFDA承認:全盲患者を対象とした非24時間睡眠覚醒症候群の治療薬

FDAは本日、全盲患者における非24時間睡眠覚醒症候群(non-24-hour Sleep-Wake Syndrome『non-24』)の治療薬としてHetlioz (tasimelteon:タシメルテオン)を承認しました。 non-24は失明患者が呈する慢性の概日リズム(circadian rhythm )障害であり、睡眠障害をもたらします。同薬は、同疾患を対象とした初のFDA承認薬です。

 

 

non-24は全く目の見えない人で発生します。光が眼に入らないため、24時間の明暗サイクルに体内時計を合わせることができないのです。

 

 

この疾患を抱えていると、眠ったり起きていたりすることが困難になり、体を十分に休めることができなくなります。さらに睡眠パターンが逆になり、昼間に寝むくなり、夜に覚醒してしまうことが多いそうです。

 

 

非24時間睡眠覚醒障害では、毎日を常識的なスケジュール通りに行動することができなくなります。Hetliozを投与すれば、夜に寝て昼間に活動するというサイクルを得られやすくなります。

全盲患者のほとんどはnon-24を防ぐのに十分な光を感じることができますが、正常な睡眠サイクルを得るための光を十分に感じることができない患者は米国で10万人に上ります。non-24はすべての年齢層で発生します。

 

 

Hetliozの有効性は、non-24を呈する全盲患者104名を対象とした臨床試験で評価されました。その結果、Hetlioz投与群ではプラセボ群と比較して、夜の睡眠回数が増加し、さらに昼間の睡眠時間が減少しました。

 

 

Hetlioz投与群で確認された一般的な副作用は、頭痛、肝酵素(アラニンアミノ基転移酵素;alanine aminotransferase)の血中レベル上昇、悪夢や異常な夢、睡眠の質低下、上気道感染、尿路感染、および眠気(drowsiness)でした。

HetliozはVanda Pharmaceuticals社により製造・販売されます。